勝負師 生態研究@侍‐ジャポン

相撲、野球、五輪、将棋など「現代の侍」「勝負師」たちの "ホンマでっか !?” な逸話集

前畑 秀子(水泳)ベルリン五輪

日本の金メダル物語(13)

1936年ベルリン大会

水泳・女子200m平泳ぎ
前畑 秀子

 NHKの河西三省アナウンサーによる歴史的な実況放送で、快挙が日本に届けられた。「前畑ガンバレ!」の絶叫を背に、22歳の前畑秀子が日本の女子選手として初めて金メダルを獲得した。

 「前畑ガンバレ!」に日本中が興奮

 前畑が18歳で臨んだ前回ロサンゼルス大会では、タッチの差で銀メダル。満足して帰国したが、周囲の反応は予想外のものだった。
 帰国後のレセプションで、永田秀次郎東京市長から「なぜタッチの差で2位になったのか。4年後は金メダルを頼む」と言われた。引退して結婚したいと考えていたが、辞められなくなった。

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 金メダル獲得が至上命令となった前畑はその後、1日2万mを泳ぐ猛練習を続けた。飛び込みの練習は、足指を切るほど繰り返した。そして迎えたベルリン大会―。

 「負けたら日本に帰れない」「金メダルを取れなかったら死ぬ」という覚悟でベルリンに入った。重圧で眠れない。眠れても悪い夢を見る。心を病みそうだった。勝ちたいばかりに、神社のお守りも飲み込んだ。

 ライバルは地元ドイツのゲネンゲルただ一人。来場したヒトラーの前での日独決戦だ。

 前半100mでわずか半ストローク差で前に出た前畑は、150mでその差を2mと広げたが、ここからゲネンゲルの猛追を受けた。

 「泳いでいる間はただ夢中。神様、日本の神様、助けてください、と祈りながら泳いだ」という。

 放送予定時間を延長して放送していた河西アナの絶叫が激しくなったのはここからで、「ガンバレ!」の回数は実に24回。最長で9回連続の「ガンバレ」をつなぐ。ひとかき差でゴールした瞬間は「勝った!勝った! 前畑勝った!!」を18回連呼。日本中がラジオの前で興奮し、喜びを分かち合った。

 表彰式。ゲネンゲルが右手を斜め上にかざしてナチスのポーズをしている横で、前畑は下を向いていた。涙で日の丸が見えなかった。

 河西アナの実況を録音したレコードは11万枚も売れ、類似品まで出回ったという。国民的ヒロインになった前畑は、五輪の翌年、結婚した。

 現役引退後は、母校・椙山女学園で後進を指導し、さらにスポーツ振興にも貢献した。90年には日本女子スポーツ界で初めて文化功労者に選ばれた。

 95年、80歳で没。ちなみに優勝した8月11日は、河西アナの名実況にちなみ、「がんばれの日」とされている。 

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